Life
特集 Life vol.4
人型ロボット活用で、支え合いや
助け合う心を育む
神奈川県、ソフトバンク株式会社、神奈川県教育委員会
人型ロボット活用で、支え合いや
助け合う心を育む
神奈川県は6月9日、ともに生きる社会かながわ憲章の理念を普及するため、包括連携協定を締結するソフトバンク株式会社、神奈川県教育委員会と協力して平塚市立大原小学校(川田英樹校長)で、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper(ペッパー)※1」を活用した出張授業「Pepperと考える~思いやりの心と親切」を行いました。
「ともに生きる」ということ
この授業はお互いに支え合い、助け合うことができる「ともに生きる社会」の実現のため、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「ペッパー」Robo Blocks スクールテンプレート※2を活用し、子どもたちに思いやりの心や親切について考えてもらおうと行われました。平塚市では大原小学校での開催となりました。
人型ロボット ペッパーを活用し、「相手の気持ちを考える力」を育てる
同校5年生の3時間目の道徳授業に転校生として登場したペッパー。フードで覆われたペッパーを前にした児童の「ペッパー君と授業をやっていこう。」との掛け声で、授業は開始。先生から児童に思いやりとはどんなこと?という質問が投げかけられ、元気よく手を挙げた児童から「困っている友達に大丈夫?と声をかける。」「バスでお年寄りに席を譲る。」などの声が返ってきました。ここでフードがはずされたペッパーが満を持してお目見え。児童から拍手と歓声が沸き起こりました。
姿を現したペッパーに対し「名前を教えて。」「得意なことは何?」といった質問が児童から投げかけられ、英語によるあいさつや早口ことばなども披露されました。転校生としてやってきたペッパーと学校生活を送るにはどんなことに気を付けなくてはいけないのか、またペッパーにとって困ること、苦手なことは何だろうとの問いかけには、子どもたちが階段、段差、体育、外遊び、充電、座ることなどと次々に答えていきました。そしてこれらの困りごとを解決するためにできることを考えていきました。児童は「おんぶをする。」「みんなで運ぶ。」「常にお世話係として隣にいる。」「段差にはスロープをつける。」などの解決方法を答えていました。ペッパーは「みんなに手伝ってもらえれば本当にうれしい。」と身ぶり、手ぶりを交えて感謝を伝えていました。
困っている人がいたら、これからどうする?
授業では「困っている人を見かけたらどうする?」との問いかけも行われ、声をかける、かけない、迷うなどさまざまな意見も発表されました。「ハンデのあることを示すマークをつけている人には声をかけやすい。」などの答えのほか、声をかけないという答えの中には「声をかけたら、たまに断られたりする。」といった思わず躊躇してしまう経験を話す児童もいました。それでも「声をかけて相手が喜んでくれるとうれしい。」との答えにペッパーも「声をかけてくれたことがすごくうれしい。」と話していました。
授業を終えて児童は「ペッパーと一緒に思いやりについて考えられて嬉しかった。」や「助け合うことの大切さを学習できた。」などと話していました。
川田校長は「道徳の時間であり、思いやりと親切について子どもたちが考えを深めていってもらえれば。またペッパーを使うことはプログラミング教育につながり、論理的思考をつけることにも役に立つのでは。」と話していました。
- ※1 Pepperは、ソフトバンクロボティクスの商標及び登録商標です
- ※2 ソフトバンクロボティクス株式会社のロボット・プログラミングツール「Robo Blocks」 を使い、Pepperがさまざまなテーマについて授業を行う「Robo Blocks スクールテンプ レート」を活用。今回のテーマは「バリアフリー」
- 取材先:神奈川県