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障がいや共生社会への理解を深め、行動促す
共生社会実現フォーラムをオンライン開催
神奈川県
障がいや共生社会への理解を深め、行動促す
共生社会実現フォーラムをオンライン開催
神奈川県は、ともに生きる社会かながわ憲章の理念を広め、障がいへの理解を促進するとともに、共生社会を自分ごとに考え、実現に向けた行動を促進する目的で、12月13日に「共生社会実現フォーラム」を開催しました。例年行われているこのイベントですが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、初めてのオンライン開催となりました。
「だれもが行動する社会へ 今こそつながろう!」
当日は、「だれもが行動する社会へ」をテーマとして、「今こそつながろう!」をコンセプトに、実践者による講演、学生による活動報告、そして一般参加者も交えたワークショップなどが開かれました。講演会では、心のバリアフリーをクリエイティブに実現する思想や方法の概念〝ピープルデザイン〟を提唱するNPO法人ピープルデザイン研究所代表理事の須藤シンジ氏をファシリテーターとして、社会課題に取り組むインクルーシブデザイナー・PLAYWORKS Inc.のタキザワケイタ氏と、(一社)WheeLog代表でYouTube車椅子ウォーカーを立ち上げた織田友理子氏の3人が登壇。「障がい者というフィルターで見るのではなく、まず、同じ人として共感し合う、仲間だという感じが大切である」「共生社会に係る事業を行うにあたって、一人ひとりに必ず役に立てる場所があることを意識している。皆様が協力してくださったおかげで、こんなによくなりましたということを実感していただく。それを意識しています」など、共生社会の実現に向けて活発な意見交換が行われました。
学生による活動報告には、アートの力で共生社会の意識醸成を行う「女子美術大学」と、教員を目指す学生たちが特別支援学校との交流や学祭などで「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及活動を行った「鎌倉女子大学」、津久井やまゆり園の利用者と交流を図った「東洋大学」が参加しました。
対話を通して共生社会の理解深める
また、ワークショップではオンライン参加者をグループ分けし、「共生的ではない社会とはどんな社会?」「共生社会が実現したら自分の生活にどんな変化がある?」など、いくつかのテーマで対話を行いました。参加した参加者からは、「共生的ではないというのは、自分本位であり、自分のことしか考えられない状態。ゆとりを持つことが共生社会の第一歩では」「誰もが目標や夢を持てる社会が共生社会だと思う」など様々な意見が出されました。
そのほか、ダウン症の書家として知られる金澤翔子氏をはじめ、アート作家によるオンライン作品展や、県内の幼稚園・小学校・中学校・高校で取り組まれている「いのちの授業」の作文朗読なども行われました。
主催した神奈川県福祉子どもみらい局共生社会推進課は「オンラインを活用したことで、外出が困難な方を含めて、多くの方々にご参加いただき、活発な議論、意見交換が行われた。コロナ禍だからこそ、人々のつながりを大切にして、『ともに生きる社会かながわ憲章』の理念のもと、共生社会の実現を皆さんと一緒に目指していきたい」と話しました。